国は違えど
みなさまこんにちは。
こぎくでございます。
とうとう12月に入りましたね。
今年もあとひと月。寒さが増すこれからの季節、成人式を控えていることもあり、体調管理には気をつけています。
ところで、先日の着付け練習会の日、素敵な物を見せて頂きました。
見えますでしょうか。左端に
『せぬいちょう』
と書かれています。
そして右側に貼り付けられているのは、『背守り』と呼ばれていた縫い模様です。
大人の着物は後ろ身頃に二枚の布を縫い合わせた背縫いがありますが、子どもの着物は反物の幅をそのまま後ろ身頃に使うため、背縫いがありません。
着物が日常着として普通に着られていた 頃は、子供が10歳を迎えられずには亡くなることも多かったようです。背守りは、そんな時代に、子供の健やかな成長を願って付けられたもの。背後から魔が入り込まないよう、お守りとして付けられていたそうです。『縫い目』の目が睨みをきかせて魔を遠ざけると考えられていたのだとか。着物にはまってから知った事でしたが、初めて実物を目にしました。
お花や麻の葉、他にも縁起の良い図柄など、色んな模様が縫われています。
お母さん、おばあちゃん達の、子ども達に対する切なる思いを込めて縫われたのでしょうね。
さて、そしてこちら。
少し前、アメリカの友人を訪ねた際、友人のお母様のお祖母様が子どもの頃に使っていたというベッドスプレッドを見せて頂きました。なんと100年以上も前から受け継がれて来たというこのスプレッド、代々その家族の子ども達が使って来たのだそう。ひと針ひと針、丁寧に編まれて、また、縫われていました。
欧米では、子ども達は小さい頃から個室を与えられ、一人で寝るのだそうです。幼い子達が楽しい気分になれるよう、寂しくないよう、色とりどりの糸で、可愛い模様をと、親御さん達が心を込めて作られたのでしょう。
日本でも、アメリカでも、その目的や方法は少し異なりますが、どちらの国でも親御さんの温かい心のこもった手仕事が、子ども達を守って来たのですね。
こぎく