こぎくや便り

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ぬぬぬパナパナ2015大阪展とキモノ文化講座へ

みなさまこんにちは。

先週のことですが、阪急百貨店で開催されていた『ぬぬぬパナパナ2015大阪展』と、付帯講座『キモノ文化講座』に行って参りました。

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ぬぬぬパナパナとは?
八重山地方の方言からの造語だとのことです。
 
◇◇ぬぬパナFBページより引用◇◇
ぬぬ=布 パナパナ=はしばし ~作り手と使い手を結ぶ~
苧麻・芭蕉・絹・和綿・羊毛、それぞれ糸をつくるところから係わり、その糸を染織して<布>にする、作り手達の集まりです。2004年の「うちくい展」から始まり、現在は沖縄のみならず 日本各地の作り手から発信。
 
自分では大したものは作れませんが、小さな頃から糸と布が好きでしたので、沢山の作り手さんの作品を一度に見られる展示会に、実際の作り手さんからお話を伺える貴重な講座、行かない訳にはまいりません。
 
講座初日は『朝香沙都子が作り手に聞く』というタイトルで、絹、和綿、紙布、苧麻、芭蕉、羊毛などの作り手さん達が、それぞれの糸作りについてお話下さいました。
写真撮影OKとのことで、少し撮らせて頂きました。
 
和綿
アジア原産の綿で、普段着に使われているアメリカ原産の木綿とは違う種類の綿だそうです。
 
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(お隣の方が持って下さいました。ありがとうございました。)
この状態から細く糸を引き、紡いでいきます。が、素人ではブツブツ切れて、なかなか長く続きません。
 
苧麻
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麻を栽培し、刈り取りから糸にするまでに多くの工程を必要とします。
皮を剥いで水に浸し、アクを抜き、繊維を取り出し、望む太さ(細さ)になるまで裂いて、撚り合わせて糸にします。
ちなみに、麻糸は、紡ぐのではなく、『績む(うむ)』と言います。
紡績(ぼうせき)、という言葉は、糸を『紡ぐ』こと『績む』こと、二つの作業を表すものだったのが、『○○紡績』という会社であっても、今は『紡』のみというところばかりで『績』は言葉のみが残っている、と、国営放送の趣味の番組で話されていました。
 
こちらの進行役を務めて下さったのは、人気ブログ『きものカンタービレ♪』の朝香沙都子さん。日本各地の布の産地を巡り、実際に生産現場を見て、体験して来られているので、作り手側の事情もよくご存知です。朝香さんと作り手さんとのやり取りからも勉強にることがたくさん。ありがとうございました。
 
講座終了後展示会場へと移ると、冒頭写真の暖簾(?)がお出迎え。
手績み、手紡ぎの素敵な布がたくさんで、ほんま、喉から手が出そうになりました…(涙)
 
ちょうどこの時、同時開催されていたのが『染織王国・琉球の布』
 
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ぬぬパナの展示もですが、やはり展示会ですので写真を撮るのは憚られ、せっかくの美しい布の数々をご紹介出来ず残念です。(そのためにも本来早めに投稿して展示会情報をお知らせすれば良いのですが…)
 
会場内では幾つかの実演が行われていました。
 
久米島紬の山城先生。

www.kume-tumugi.com

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絣模様の手括りです。
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下の写真で、束になった糸の上に一本細い糸があるのが、デザインから墨付けられた糸。
この色付けされた部分を目安に防染用の綿糸をきつく巻き付けていくそうです。
着尺地の長さは約12m、それを複数束(模様の細かさによって異なります)。全て手で括って防染するのですから、忍耐が必要です…(涙目)
 
宮古上布の糸績み(お名前をおうかがいするのを忘れてしまいました)
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講座で苧麻の糸績みの複雑さをうかがった後ですので、作り手さんの手元を思わずガン見。
この細さ!ここまで細く、そして長く切らずに繊維を裂いて、さらにそれを撚り合わせて績んでいく作業、気が遠くなります…
写真下の貝殻は、苧麻から繊維を取る時に使う『ミミ貝』の殻。宮古上布にする苧麻は、この貝殻を使わなければならないと決まっているそうです。宮古上布の良さを伝えるための決まりなのですね。
 
講座は三日間行われ、全講座に参加して参りましたが、ちょっと記事が長くなり過ぎましたので、本日のところはこの辺りにて。
 
こぎく