こぎくや便り

普段着物生活のあれこれや、お稽古事の記録などを綴ります

第二回おうぎの会 行って参りました

みなさまこんにちは。

マメな更新を宣言した直後から、期待を裏切らない空白時間…
何も無かったのではなく、書きたい内容がたくさんな日々を過ごしておりました。

少し遡りますが、先週水曜日のことから順にご紹介します。

五月に第一回が行われた『山村若静紀が聞く おうぎの会』の第二回が、七月十五日に開催されました。今回のゲストは宗教学者釈徹宗先生。テレビや本などでお名前は存じておりましたが、実際に目の前で拝見するのはもちろん初めてです。どんなお話をうかがえるのかと楽しみに、会場の創元社さんに向かいました。

開場後、舞の師匠、山村若静紀の舞で幕が上がります。

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今回の演目は『萬歳(まんざい)』。
萬歳とは伝統芸能の一つで、新年を言祝ぐ二人組の話芸であり、それをモデルにした縁起の良い演目です。
通常、萬歳では太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう)の二人が、片や寿ぎの台詞を謳い、かたや鼓を打ち踊る、というものらしいのですが、『萬歳』ではその様子を一人で演じて舞っています。そのため、途中で鼓を打ったり、足を踏み鳴らす振りがたくさん出て来ます。
師匠は、今回の対談のテーマが『宗教と芸能』ということからこの演目を選ばれたそうです。
楽器を打つことも、地面を踏み鳴らす動作も、もともと宗教的、祭事的な要素・意味合いが強いのだそうです。地面や空気を振動させて神様にお祈りしたり、交信するのだとか。そういえば、相撲の力士が四股を踏むのも、大地の霊を踏み鎮めるとか、春に土地の神様を目覚めさせ豊穣を祈ると言われていますよね。はるか昔、神話の時代にはアメノウズメの例もありますし。
対談の内容から少し逸れてしまいましたが、伝統芸能と宗教とは深く関わって発展してきたという、この導入部から一気に盛り上がり、お話に引き込まれておりました。

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お話されているお二人自身が大変楽しそうでいらっしゃいますね。
うわの空…これは会場へいらした方だけに分かるキーワードです(笑)

釈先生は仏教のみならず、様々な宗教を学んで来られたそうで、たくさんの経験の中から、ジャイナ教の信者さんにインタビューされたお話をご披露下さいました。
ジャイナ教では細かく定められた作法・型がたくさんあり、信者の方もなかなか体得出来ず、修行も厳しいようなのですが、インタビューされた相手の信者さんが「今世で体得するのは諦めました」と仰られたそうです。そして「次の次くらいの人生でなら」と。

今世が無理?次の人生じゃなくてその更に先?

もう衝撃です!

釈先生も驚いたエピソードとしてご紹介下さったのですが、一般人の私には想像のはるか向こうのお話です…今世で無理に極めようとする必要はなく、ただひたすらに精進を続ければいつか辿り着ける、ということでしょうか?

ここでちょっと思い出したのが、静紀先生のお師匠、山村若佐紀先生が仰られたという「舞は一生では足りません」というお言葉。極めようとしてお稽古を重ねれば重ねるほど、到達点はどんどん先へ、求めるものは更に高い所へ行くのですね。
これくらいお稽古頑張ったから大丈夫、なんて日は来ないのですよね。

先生方も対談の中で仰られていましたが、宗教のお作法・型を体得することと、芸能の型を体得すること、本当に似ています。

実際のところ、ジャイナ教の信者さんがどういう事を考えてそう仰ったのかは不明なのですが…

さて、対談終了後には、先生方を囲んで写真を撮って下さいました。

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皆さんお澄まし顔ですが、ひとしきり笑い倒した後です(笑)

上の写真のこの日の着物について。
着物…小千谷縮
帯…紙布の羅帯
帯揚げ…正絹の絽
帯締め…正絹のレース組み
肌襦袢…綿クレープ
ステテコ…綿クレープ
筒袖半襦袢…綿晒し(替え袖は無し)
私の左側に立っていらっしゃるトンボさんも偶然小千谷縮。暑い夏のお出かけには小千谷のようなさらさら着物が便利ですね。

尚、今回写真を撮るタイミングを逃し、おうぎの会様にお願いして、お写真をお借りしました。便宜上、こぎくやのロゴを入れておりますが、御了承下さいませ。
おうぎの会様、ご快諾いただきありがとうございました。

次回は、九月十六日(水)です。

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ゲストは日本画家の山本太郎さん。
ネット上でしか拝見したことが無いのですが、山本先生の作品は、本当に興味深いものばかりです!
どうしたらそうなるの⁉︎という…その豊かな発想の元を少しでも垣間見る事が出来ればと思います。
みなさまもぜひ^ ^

こぎく