新之助上布の墨流しで片身がわり
みなさまこんにちは。
こぎくでございます。
ご訪問ありがとうございます😊
なんだか長くてややこしや〜なタイトルになってしまいました(汗)
先日の記事で紹介しきれなかった着物のお話です。
粉浜で落語と浄瑠璃の会*着物で帝塚山無学へ - こぎくや便り
落語と浄瑠璃の日の着物
新之助上布の綿麻着物
新之助上布は、滋賀で作られている麻織物です。
縮加工が施されていて、肌触りはさらっとしています。
新之助上布について - ”新之助上布”ウェブショップ 近江で織る麻 普段着の春夏着物と小物
(そういえば、先日の同窓会に着ていった着物が、新之助上布の本麻着物でした。)
この着物は、その新之助上布を使った『片身がわり』と呼ばれるものです。
『片身がわり』は、着物の半分ずつを違う反物で仕立てるもので、元々は短い布でも活かそうとする庶民の知恵から始まったようですが、伝統芸能の衣装や普段のお洒落着などにデザインとして取り入れられています。
初めから二つの反物を二人で折半されて、右側と左側、全く別の柄の着物を仕立てられる方もいらっしゃるようです。
私にとっては、『片身がわり=合わせ方が難しそうだし、気に入る反物を二本見つけられたとしても、折半してくれる相方を見つけることが一番難しそうな着物』でした。
が。
こころやさんの春の催事にお邪魔した時に。
この反物に出会ってしまいました。
(反物の状態で写真撮っておくべきでした...)
左右で全く違う色です。
(鴇羽色と柳鼠、でしょうか?色の名前を正しく言うの難しいです…)
これ、実は一つの反物から仕立てられたものです。
半分ずつ染め分けられていました。
通常、片身がわりの着物では、衿周りの生地はどちらか一方の色になるか、衿の中心で両方の生地を継いで、身頃の生地と色を合わせるかのいずれかですが、この反物は真ん中できれいに染め分けられていたため、衿にはこんな風に、両方の色の替わり目部分が使われています。
そして、左右それぞれの色の間に紫色が入っているため、左右の色が馴染んで見え(るように思い)ます。
色の専門的なことは知らないので、なんじゃそりゃ?なこと言ってるよ~と思われたら教えてくださーいヽ(´o`;
もう一つ。
こちらの染めについて。
『墨流し』と言われるものです。
水面に染料を流して模様を描き、そこに生地を乗せて転写する技法。
『マーブリング』とも。
マーブリングの簡易版、子どもの頃にやった記憶ありませんか?
名前の通り「マーブル模様」を写し取れる楽しいお絵描きでした^^
子どものお絵描きと同列に語るべきものではありませんが、ごく分かりやすい例かと思います。(ちょっと乱暴な説明で申し訳ありません...)
この着物の模様は、その墨流しで描かれています。
墨流しの模様は、上にも書いたように「マーブル模様」がほとんどだったのですが、この反物は矢羽根の連続のような模様が描き出されていて、他の反物とは雰囲気が全く違っていました。
「マーブル模様よりも『シュッとして』見えるわ」という言葉に乗せられたのは内緒の話です(苦笑)
しかし、その反物がこんな離れた色同士に染め分けられていたとは!!
今年は墨流しの職人さんが面白いことを試みられたようで、呉服屋のこころやさんも、反物を広げてびっくりされていました(笑)
催事に伺う前から「今年は新之助上布をもう一枚」と考えていたのと、この染め分けに魅かれたので(と、「シュッとして見えたい」欲望とで)、この反物に決めました。
『片身がわり』は、仕立て方を決める時にも悩みが尽きません。
左右で身頃と袖の色を揃えるか(私の場合は揃えました)、互い違いにして追っかけ風にするか、また、どの色をどこに出すか...悩み過ぎて、一度はこれ!と決めてお願いしたにも関わらず、仕立て上がりを見るまで「やぱり逆にすればよかったかも...クスン」なんで弱気になったり、「ダメなら色を入れ替えて仕立替えしてもらえばええんやん?」なんて思い直したり(苦笑)
それでも、今回初めて着てみて、お願いしたこの配色で良かったと再確認できました〜^^♪
後ろ姿を見てもやっぱり嬉しい♡
(またエレベーターでパチリww)
今年は、あと数回着られるかどうか?というタイミングですが、来年以降どんどん着ますよ〜(*´꒳`*)
こぎく